貧乏人は折り傘をバッグに入れておけ

 試写会に行ったが寝ていた。
 終わって出ようとすると、大勢の人が入口に立ち尽くしていた。ひどい雨だ。都久志会館天神地下街の入口には少し距離がある。どちらかというと裏通りに面しているのでタクシーもほとんど通らない。
 夜の雨。
 だが私はちっとも慌てない。無印良品で105円で買ったパラシュートクロスのバッグの底には、150グラムの軽量折り畳み傘が入っている。
 折り畳み傘なんて百円均一ショップでいつでも買えそうなものだけど、雨が突然降り出したときそこに百円均一ショップがあるとは限らない。コンビニのビニル傘は安くはない。普通の傘は、軒下の安物でも500円はとる。タクシーは論外。まあ、足元が濡れてももったいないような靴は履いてないわけだし。ともかく余分な出費をしないために、折り傘は貧乏人必携なのである。
 この傘は雑誌の付録についてた。晴雨兼用UVカットということは、日傘にも使える。急に暑くなったときも涼しく過ごせる。本当に小さくて軽いので用がすんだらすぐ畳んでバッグに入れるから、どこかに忘れることもない。
 無事パス停まで歩き、バスで家路についたのであった。