元気でありさえすれば、老人は富裕である。
福岡県内は西鉄バスがとても便利だ。
来年早々に西鉄が値上げになり、高齢者用バス定期券「グランドパス65」が１年有効52,900円に値上げされるが、このパスは西鉄一般路線バスがすべて乗り放題で、福岡県内の特急高速バスも半額、佐賀、日田、熊本、佐世保、下関の西鉄高速バスも半額になり、西鉄電車も10時から17時までに改札を出ると運賃の2割がキャッシュバックされる。
高齢者以外はどうかというと、
学生パスのエコルカードは、使える範囲は狭いし高速特急の割引はしてくれないし電車のキャッシュバックもないのに福岡都市圏年間76,800円より、乗れる範囲により各種。
学生以外の大人になると福岡都市圏一般路線バス乗り放題以外は何ら特典のない「ふくとくパス」が1月に試行販売されるが、半年で122,470円だ。
全ての一般路線バス1年で52,900円特典多しの高齢者と、福岡都市圏のみの一般路線バス半年を1年換算して244,940円特典なしの65歳未満の人々。気分的に軽く5分の1である。
ちなみに、株主優待で一般路線バス無料のパスを貰おうとしたら、6000株の保有が必要である。今西鉄の株価は2400円強で推移しているから、時価総額軽く1400万円以上の株主でないと貰えない。それより使えるパスを年間52,900円、月4,408円で入手できるのだ。バスで移動できる高齢者が富裕なのはそういうことだ。
4,408円、我が家からでは天神数往復で、すぐに消える交通費である。それを払えば福岡、市内から、原鶴や杷木(博多から甘木まで直通バスがあり乗り換えると杷木まで行ける)の道の駅とか、太宰府とかに毎日でもバスで行ける。福岡市内の美術館博物館も65を超えると常設展は無料だ。福岡からなら電車ワープをすれば田主丸や吉井や八女にも安く行けるし、よく調べれば本数は少ないが平日は杷木からうきはまでバスが出ているから、いろいろ安くつく。高速バスも、少し運賃が上がるのだろうが、値上げ前なら1,100円で佐賀、2,500円で熊本と往復できる。
このパスは、佐賀に住んでいる人にとっては、佐賀市内便は少ないが、福岡に月4回以上来るなら、その交通費が半額なだけで元は取れるし、福岡現地のバスにも乗れるし、佐賀バスセンターから柳川や久留米、久留米から八女や吉井に全部路線バスで行ける。
行きたいと思ったとき逡巡を減らすことができる。シルバー料金なんなら無料で美術館に行き、道の駅で新鮮で(場所によるが)安い野菜や果物が買える。
ああ、羨ましい高齢者。
経済状態は人それぞれだが、自分は貧乏なので、どうしてもお金が不足気味の発想をする。浮いた交通費で何かおいしいものを食べるのか、水筒とお弁当を持って行って、本当にお金のかからない経験を積むのか。
今は高齢者の働き口も多いから、交通費の出るアルバイトに週２日でも出れば、その自由が手に入るのだ。実際このパスを持って働きに出ている高齢者は多い。
問題は、いつまで元気でいられるかなんだよなあ。
