気になる他人の靴 

 自分が貧乏だと、他人のこともよく見える。
 スーツ姿の、ビジネスシューズがひどく擦り減った男性を近頃よく見かける。スーツを着てて、かかとが半分以上、歩きにくいくらい擦り減った靴を履かなければならない仕事ってなんだろう。スーツを着て、人に会わなくてもいい内勤の人で、靴には無頓着なだけなのか。まさかそんな靴で人に会って交渉しなければならない仕事なのか。それともその靴は単なる通勤用で、今日雨が降るかも知れないから濡れても惜しくない古い靴を履いているだけで、会社に行って業務をはじめるときには履き替え、あまり擦り減っていないちゃんと磨いた靴で取引先の人に会うのか。
 その擦り減った靴のまま、出先の人に会わないといけない仕事だったとしたら、その靴のせいで仕事がうまく行かず、靴を修理したり買い替えたりできなくなってしまったりはしないだろうか。そんなことを考えるのである。せめて靴はよく磨いて、それほど擦り減らないうちに、百円均一でも売っている、かかと用のリペアグッズで手入れをしておくべきだ。
 我が家ですか? うちはスーツ仕事じゃないし、履くのは革スニーカーというかウォーキングシューズで、底が劣化しにくいメーカーのものを厳選しております。擦り減ったり底が薄くなったら、SHOEGOOという接着剤風のチューブ入り補修剤を使って修繕しています。十年以上前に買ったものだけど、まだ使えてます。まことに貧乏人の友じゃ。