靴を買う

 セレクトショップに立ち寄る。ずっと気に入って履いていた靴と、似たデザインのものを探していたのだが、なんとヴィンテージものを売っていた。履いてみると、ぴったり。即買いである。
 と、普通に書けばいいものを、貧乏臭い解説をつけて書き直す。

 リサイクルショップに立ち寄る。ずっと気に入って履いていた靴がくたびれてきたので、さすがによそゆきにはできなくなった。似たデザインのものを探していたのだが、オーソドックスなデザインだと、きれいなものは中古店でもそう安くはならない。なかなか買えずにいた。
 ところが今日、リサイクルショップに行くと、なんとヴィンテージものを売っていて、お値段は980円。うん。これ、間違いなくヴィンテージだ。年代ものだが、デザインは古くない。革もひびなど入っていないし、踵も少ししか履かれていないらしく、ほとんど擦り減っていない。大事にされていたのかも知れない。でも、出した人も店の人もこんなブランドは知らなかったらしい。買って履いていた本人が、いいものであることを知らないはずがない。勝手に家族に断捨離されてしまった靴かも知れないが、そんなことは知ったことではない。私にとっては大層ラッキーなことだった。
 即買いである。
 家に帰って大事に靴クリームを塗って手入れをしながら調べてみると、このレベルだったらネットオークションで、私の買値の約10倍からのスタートだった。何時間余計に働かなくて済んだかと思うと、とても楽しくなった。よく眠れると思う。おやすみなさい。