2012年秋冬エセマダムコレクション

 カシミヤのセーターに袖を通すのは冬の至福である。今年も気に入りの色のものを新調した。ウール地のコートを出すのはまだ早い気がして、これもこの秋買ったアクアスキュータムの綿コートを羽織る。襟もとには、アニマル柄の短いマフラー。髪をきれいにブローし、ちゃんと化粧して適当なイヤリングをつけ、OL時代のブランドバッグを持ち、昨シーズンにやはりリサイクルショップで買った靴を履けば、エセマダムのできあがりである。
 コーディネートの買い値は、とうの昔に減価償却を終了したバッグを除けば、当然1万円を割り込む。てゆーか、5000円を割り込んでいる。
 セーター、コート、マフラー。今シーズン新調したアイテムは、しめて1350円。もちろんリサイクルショップやバザーで買ったのである。正真正銘のカシミヤ。あまり使用されていないというか、新品同様といっても差し支えない。1回着てクリーニングに出しました的な。なぜカシミヤに200円という値札がついていたのかは不明。カシミロンでもこの値段は無理だ。アニマル柄の短いマフラーでトレンドをしっかり押さえた。
 アクアスキュータムのコートも衿や袖口のこすれや汚れや劣化もなく、美品といって差し支えない。今年経営破綻したとはいえ、それは品質や縫製とは関係ないことである。なんとラッキーなことに、元値が高価な中古コートを買ったときにありがちな、元の持ち主のネーム刺繍もない。それで1050円。たぶんリサイクルショップの店員さんは、バーバリーやダックスは知っていても、アクアスキュータムはご存知なかったのだ。まったくもってありがとう。