バイトのすすめ

 私が行く日払いバイトは、食品工場だったり、スーパーだったり、家電店だったり、まあいろいろである。7月から始め、月によるが、3万円〜5万円分くらい働いて生活の足しにしている。まさにそれは生活の足しで、やめてしまったら資金ショートを起こす。
 そんななか、私だって少しは学んだのである。
 それほどお金に困っていない人にも、日払いバイトはおすすめしたい。でも、ちょっとやってみる程度にとどめてほしい。困ってる私の仕事がなくなるからね。就職の内定がとれた学生にも、なるべくいろいろな種類の単発日払いバイトをやってみることをお勧めしたい。
 最低賃金からの労働とはどんなものであるか。どんな人が働いているのか。シズル感あふれる画面と楽しい音楽でテレビ宣伝されるコンビニ弁当が、どんな労働環境で作られているのか。明るいショッピングセンターのバックヤードはどうなっているのか。
 どんな感想を持とうとも、少なくとも世間知らずのままでいなくて済むのである。
 安定した職に就き、安定した生活をしている人々にとって、産業構造がとか、労働環境がとか、所詮他人事なのである。で、自分や夫が人員整理リストにあがっていることを知ってはじめて慌てるのだ。
 60になっていなくて、働く曜日と時間帯と職種を問わなければ、ありつける、時給千円の仕事。夫婦ふたりで働けば、健康であればの話だが、家賃が払えて、子どもの学費も払えるかもしれない、でも不安定な仕事とはどんなものか知ってみるのは価値があることだと思う。