バナナがないっ!

昨夜、サニーに行ったら、バナナがなかった。
 4〜5本の1カットが97円のバナナである。
 カットごと微妙に重量が異なるので、なるたけ重そうなものを慎重に選んでレジに持っていくようにしている。
 バナナはいい。わずかのアイスクリームも、バナナとともに盛りつければ、家族全員のデザートになる。
 1本百円の特売ロールケーキも、切った上からバナナの薄切りを載せれば、優しい酸味と甘味が豊かな気分を醸し出してくれる。紅茶とともにいただけば、とても一切れあたり12円50銭のケーキとは思えない味わいとなる。

 そのバナナがなかった。
朝刊を見ると「朝バナナダイエット」なる減量法が喧伝されていて、バナナを買う人が殺到し、そのせいで店頭からたちまちバナナが消えるのだそうだ。
 いつもあるものが店頭にないとなると、そこはかとない喪失感に見舞われる。パーフォーマンスの高い果物、バナナがないのは困るのだ。

 誰だ、朝バナナダイエットなんて考えたのは。
 何にかかわらず単一食物のダイエットは、一過性のブームに終わる。リンゴしかり、ゆで卵しかり、ここ何十年かの間に何回も出て来ては消えていっているではないか。
 単一食物ダイエットは、飽きる。飽きるというのは嗜好の問題ではなく、栄養の片寄りに対抗するための脳の反応である。ほかに食べ物があるのに同じものばかり食べていると気分がすぐれなくなる。
 単一食物の朝食を昼までのエネルギーにすることを何日も続けることが体にいいわけがない。
 それで、単一食物ダイエットは何度も出て廃れてきたのである。
 朝は具沢山の味噌汁とご飯となにか日替わりのおかず、が一番健康にいいに決まっておる(なぜか断言)。というか、バナナを返せ。いつでも売ってる状態にしてくれ。