貧乏主婦のリクルート大作戦?

 自営で貧乏なら、外で働けばいいのに。
 そう思った読者の方は多いと思う。

 自営の仕事が忙しくなると、ほかでは働けないので、レギュラーの仕事は入れられない。

 リビング福岡というフリーペーパー、先週入っていた号の特集は「家にいながらプチ稼ぎ」ですと。いろいろ紹介してある。でもね。
・ネットアンケートは、よほど暇な人なら良いでしょうが、時給に直すと実に効率が悪い。退屈しのぎにどうぞ、といった程度である。稼ぎとはいえない。
・覆面調査は、抽選で、なかなか当たらない。当たったとしても、何月何日の何時から何時までの間に、という時間の制約がある。お仕事なんですからね。あれ聞いて、これ調べて、という項目がたくさんある。それで支払いと報酬の差額は、ないこともあるし、あったとしてもわずかである。やってみたけど、飲食店調査は食べ物の味がしなくなる。
 まさに「おいしい話」は、ないのである。
 
 さて、貧乏主婦が外で働く話。
 本職があるのでレギュラーでは入れない、となると、単発バイトということになる。
 見てくれが悪いので、する仕事には制約がある(笑)。おまけに若くはない。
 単発バイトは、派遣会社に登録して、あとはスケジュールを提出する、または電話やメールで空いている日を連絡して仕事をもらうことになる。
 空いている日、空いた日、体力に余裕のある日、というのに必ず仕事が入るとは限らない。

 まあ、年齢が年齢だから、簡単に仕事ができるとは思ってなかったけど、とりあえず、ある業種の非熟練工として出てみた。日本の現代の生産現場の構造が、なーんとなくわかっちゃった。
 わずかの重責任重労働の正社員、それを補うギリギリの人数のレギュラーのパートアルバイトたち、そして彼らの休みや繁忙期を補う単発派遣バイト、という三重構造で、現場というのができていた。
 正社員の仕事のキツさは言わずもがな、レギュラーのパートタイマーアルバイターも、出勤するからには、閑散とした時間、時期というものがない。目一杯働く。で、その穴埋めを単発単純労働派遣バイトが行う、というものである。生産性は上がりますわね。本っ当にギリっギリの人数しか雇傭しなくても、生産現場がまわるのですから。
 なーるほど。

 自分が外で1日いくら、というのがわかったから、とても困ったときには、工場で働こう、という道すじはつけた。細かい事は考えずに、また働くことになるだろう。ぢっと手を見る。少し荒れたようである。