モラール・クライシス

 ささいな理由による一方的賃下げというのは、以前書いた定期昇給見送りhttp://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=512033&log=20090320よりも士気を下げると思う。http://dailynews.yahoo.co.jp/ns/economy/japanpost/ 郵便では秘密が保てなくなるとかミスや不正が生じやすくなることが心配だ。

「お仕事しようぜ、給料分のお仕事をさ。」(映画「ハゲタカ」より)

 不景気と雇用不安で貧乏主婦が危惧するのは、はたらく現場での士気の低下である。給料が下がっても、転職先の希望があれば、今の職は他のもっといい職場に移るための職業訓練だと割り切って元気に働けるが、今はどうだ。ここにとどまるしかないと思う人がほとんどではないのか。
 士気が落ちると品質が低下し、またまた買い手がいなくなるという、負のスパイラルに陥る。結果として「日本の品質」が落ちていき、国際競争力を失うのである。
 ひと以外に大した資源を持たないこの国で。
 はたらく現場での士気の低下は、学力の低下よりもはるかに憂うべき問題であると思う。士気が危機に瀕している。

 岩田屋福岡三越がいよいよ会社として統合するそうだ。http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/99060 私が店内を通りかかるときに限ってなのだかどうだか、最近店の人たちの私語が増えてると思ってた。
「士気が落ちてないか?」 
 デパートで買い物などしないので直接不愉快な思いをしたわけではない。流通関係者でもない。だからふとそう思っただけで、たいして気にはしてなかった。
 ニュースを見て、なるほど、と思った。
 ニュースをそのまま読めば、九州最大規模の百貨店会社が誕生する、と景気のいいことが書いてあるけど、文面通りに受け取っていいものだろうか。経営統合、って、市場が縮小してる今、売上げ拡大を見越しての話ではなさそうに思える。事業の効率化には人員整理がついてまわるものだ。
 私が感じた士気の低下が、デパート社員についてなのか、メーカー社員についてなのかはよくわからない。どのみち、現場の厳しさというやつが、士気の低下につながる種類のものらしいという匂いがしただけなのである。
 あしたは、どっちだ?