新風舎。

 新風舎という出版社がつぶれたと報道されている。
 そこの福岡の出先機関自費出版本ばかり置いた書店で、そこには、高いお金を払ってつくられた(普通より高めらしい。具体的な金額は調べてね)自費出版本がたくさん置いてある。
 その会社のことを「だまされた」といって訴えてる人たちがいて、新風舎で本を作ろうという人がいなくなったので、つぶれてしまったらしい。 

 なんで高いお金を払って本を出そうと考えるのだろう?  自分の書いたものを他人に読んでもらうのなら、さるさる日記とかブログを借りればいい話だし。
 印刷物にしたいのなら、自分で入力したデータを印刷会社に渡せばとても安く本ができると聞いたことがある。それを、たとえば「このブログまとめて本にしました。欲しい方は」といって、ネットオークションに定価で出品してそれをリンクすればいい話ではないのか?
 でなきゃ駅弁箱みたいなのを作って「私の詩集買って下さい」とかなんとかいって売ればいいのだ。天神でホームレスのおっさんがBIG ISSUEを通る人々に声かけて売っているではないか。なんで本屋で売ることにこだわるのだ。

 本自体も、しょぼい薄い文庫本(新風舎福岡の売店の棚にぎっしり詰まってた)を大枚はたいて作るくらいなら、何のためにパソコンとプリンタが普及しているのだ。自分で入力して、プリンタ出力して、綴じ方だって図書館の本を探せば見つかるはずだし(昔、別冊宝島シリーズの『メディアの作り方』という本で、接着剤を本の背に塗って無線綴じにする方法を見たことがある)手作りすればいいじゃないか。そうすれば、一冊何百円からの投資で済むんじゃないか?

 いや、やっぱり自分の本を本屋さんに並べてみたい。そう思う人は多くて、そこにつけこんだ出版社がありましたとさ、ということなのかな。

 自分の書いたものがベストセラーにならないまでも、ある程度売れる本だったら、持ち出ししなくても、本を作って本屋さんに置いてくれるはずだ。そうでなければ持ち出しがあるのは当然だ。
 本屋さんだって出版社だって営利企業なんだから、売れない本は作れないし置けないはずだよね。
 福岡天神の家賃の高そうな場所に販売所を常設していれば、当然そこの家賃も上乗せされた本になるだろうに。

 本が本屋さんに並ぶ夢を売るバブルな商売だったんだろうなあ。新風舎