太鼓をドンドコドン

 まあ、買わないから関係ないんだけど、高い通販売化粧品の会社の宣伝が気になる。
 社内事務所フロアで太鼓叩いて集合というのである。
 どうもよくわからない。
 あくまで結果たる商品やサービスが重要なのであって。内部組織のことなど消費者にはどうでもいいことなんですけど? これが我が社の製品・サービスの秘訣で誇りに思ってます、とでも言いたいわけ?
 この会社は化粧品の効能やイメージ広告以外に、内部の事情を電波に載せてきた。
 まあ、機械の分解は分解掃除しないと不衛生になるなら分解掃除は当たり前だが?
 企業内託児所は求人対策の広告と、オペレーターの人間事情を見せることで横柄な電話客を減らすのが目的であるとして。
 太鼓に一体何の意味が?
 電話申し込みの向こう側に太鼓がある。そう思えば美しくなれる……のだろうか? 太鼓が企業イメージを上げるという発想がよくわからない。話し合える風通しのいい組織、が、でかい太鼓なのか?
 それを世の中に知らしめるのに莫大な宣伝費を投入しているのか?
 疑問はつきない。まあ、買わない(買えない)から関係ないけど。 
 社内の人は慣れて平気なのだろうが、もし来客として訪れているオフィスで突然太鼓が鳴って、その場所に管理職が集まってきたら、私はまず間違いなくコーヒーを吹く。
 しりあがり寿のマンガに出てきそうなギャグみたいだ。

映画「ブラック・レイン」のラストシーン、警察の広いフロアを刑事が犯人をしょっぴいて通っていく。たとえばそこで「これは大変だ、関係者集まれドンドコドン」と、太鼓を叩いたとしたら……。腹の皮がよじれる。

このCMを見る限り、経営側の「暴走する自己満足」を感じるのだ。何か、違わないか? ここに勤めてる人の本当の会社の居心地に関心がある。