楽な仕事

 バイトだった。
 いわゆる「楽なバイト」が、今月後半も入った。先月と同じく前半2回だけだったのが、後半にも2回急に入った。来月も6回入った。たぶん週末のローテに加わる人々に急に辞退者が続出したんだろうな、と思う。
 ちょっと待機場所の環境が変わったのだ。メールや携帯ゲームをしてた人たちは、そういうことがしづらくなったのだと思う。
 ラッキーである。
 お呼びがかかるまで、ひたすら待つ仕事である。お呼びがかかったら、にわかに忙しくなるが、一日中忙しいことはまれで、時給を貰っている時間の40〜90%は、ひたすら待つ。ひとつところに座り続けなければいけないし、本も読めないし手紙も書けないが、座り続けが辛ければ、一時間に一度くらいはトイレに行けるし、休憩時間もある。携帯やメールのやりとりも、たまにであればできる。体力温存にはもってこいの仕事だ。おまけに、時間ちょうどで終了することができる。
 暇だからといって、忙しい職場の人たちは手伝えない。却って足手まといになる。ウロウロするな、と言われたことすらあるらしい。第一、給料は、出向している事業所から出ているのではない。出向元の仕事をきちんとする、というのが自分の仕事で、その仕事が発生するまではひたすら待機するのである。
 孤独なハケンである。大勢が働く忙しい職場でひとりきりである。 たぶんそれに耐えられない人が辞退していくんだろうけど、私には理解できない。孤独でキツい仕事など、ほかにいくらでもある。
 ともあれ、ラッキーである。
 今日もとても暇だった。90%は待ちという日だったが、時間途中で思いついた。お呼びがかかったときにパニくらないための資料を作るのだ。暇なもんだから、想定しうるすべての場合についてシミュレートできる。おお、これは楽できるぞぉ。