選挙。

選挙には行きましたよ。
貧乏な私の僅かな財産のひとつだ、

選挙権は貞操に似ている。
貧乏な人も金持ちの人も一様に持っていて、
売買したことが世の中にわかると非難される。

貞操に似ているのであれば、
小さな女の子の胸にしまった
大切なココロのヒミツなのである。

○○党の工作員の方が
投票のおすすめにいらっしゃるが
私の思想信条はそんなユルいものではない。
○○党に投票するのをもし強制されるようなことがあれば
公民権を剥奪された方がましだ、とまで思っているのだ。
でも、
近所の○○党の人々を全員敵に回す勇気はないので
はいはい、わかりましたよと
オトナのタイドをとる。
後ろ姿を見送るとき、
なめんなよとつぶやいている。

4割の人が選挙に行かなかったらしい。
現状維持でよしとするのか
憲法がどう変わっても自分には関係ないと思っているのか。
それとも
投票に行ってもどうせどうにもならない
何も変わらないと思うくらいの
深い諦念と
閉塞感と
絶望感に覆われているのか。