ビンボー主婦の化粧

 以前書いたように化粧品は極力サンプルを使う。それはメイクとて同じである。ちゃんと化粧しないと、必要以上にビンボーで生活に疲れた感じになる。そうすると不幸そうに見える。
 ビンボーにみられるのはいっこうにかまわないが、不幸そうに見られるのは断乎拒否したい。
 街でもらった口紅のサンプルは、鏡つき口紅パレットに移して外出にも携帯。容器に残ったのは紅筆にとって 家での化粧のときに使い、なくなったら捨てる。やはり新製品は唇がぷっくりして見えていい感じだ。
 眉はマッチの燃えカスで書いてます、と言いたいところだが、資生堂の一番安い、マツキヨで157円くらいのペンシルを使っている。テレビ局のメイクさんがこれを使っているのを知って、ああ、高いものは買う必要ないんだなと。何年も使えるし。眉の流れを整えるのは、ヘアマニキュアについていた生え際用ブラシと、なくなったマスカラのブラシである。
 チークもサンプルってあまり配ってない。昔のクリニークのスターターズキットのほお紅をずっと使ってたけど割れてしまった。いつかエスティ・ローダーかどこかの製品で、割れたようなチークだかファンデだかをブラシでなでて使うようなのを見かけた。それにヒントを得て、いくつかあった割れたチークや半端なチークをケースからはずして白粉の空き瓶に入れ、ブラシにとって使うことにした。それで間に合う。外出先では紙ほお紅を使う。
 あまりアイラインを書きこんだり、瞼を何色にも塗り分けたりはしない。ゴージャス美女になれるかどうか疑問だし、なったところで服と不釣り合いになるだけなので、化粧品はこれで十分。