私たち親子がきっと一番貧乏だわ

博物館横にある、明るいレストラン。とある有名ホテルの運営である。
 名前を告げて席に案内してもらう。生クリームたっぷりの冷たいスープ、メインとパンかライス。私はミックスフライにした。タルタルソースはもちろん自家製だと思われる。海老フライも魚フライも、塩胡椒加減が絶妙で、薄い衣がカリカリして、とてもおいしい。子供はチーズの乗ったハンバーグを食べている。パンはフランスパンと、ハーブ入りのロールパンで、ホテルのホイップバターがついている。デザートは、シナモンが香る小さなカボチャのケーキ。生クリームとセルフィーユで可愛くお化粧されている。カップにたっぷり注がれたコーヒーもおいしい。コーヒーについてくるクリームも、まがいもののコーヒーフレッシュではない。半分ブラックで飲んで、残りの半分は、カフェオレに近い高カロリーなコーヒーとなった。
 観光地だけど、ここはゆったりできる。コップの水が半分になると、すぐにウエイトレスが注ぎ足しに来てくれる。ほかの家族や友人同士の談笑をBGMに、1780円のランチをゆっくり堪能する。
 で、ふと私は思う。この店の客の中で、私たち親子が一番貧乏だわ、きっと。
 誕生日なので子供を連れて来たのだ。